white snow.




まおの喜ぶ顔を見ていると――― 自然と体が動いた。


「まお」


「いっくん、綺麗だね」


まおの隣に立った。

まおはチラリと俺を見上げたと思ったら、再び視線は観覧車へ。



――― 0時0分。


日付が変わった。


【Happy valentine】


「見てみて! “Happy Valentine”って書いてあるよ!」


知ってるって、一緒に同じものを見ているんだから。


興奮が冷めそうに無いまおの肩を、抱き寄せた。


“――― ビクッ”と体が反応したが…… 安心したかのように俺に体を預けてきた。


「今日は、楽しかったか?」


少し、冷えた頭を撫でながら聞いてみた。

答えなんて、聞かなくても分かっているが…… まおからちゃんと聞きたくて聞いた。


「楽しかったか!」


「それは良かった」




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