white snow.

その、温もりを抱いて。





朝練がここ数日あり、一緒に登校出来ないことが寂しかったのかもしれない。

愛川も俺に、この間文句言ってきたからな。


“前田くんばっかりまおと過ごしてズルイ”


こんなこと言ってきたって、今は陽太と過ごしている。

せっかくの時間を、愛川は俺にくれた。


「いっくんと過ごすのが嫌なわけじゃないからね」


「うん、ありがとう」


「明日は、優ちゃんと買い物とか出来たなーって」


ぜひ、そうしていただきたい。

まおの…… って言うか、女の買い物は長いから付き合うのは嫌なんだよ。


愛川とだったら楽しく買い物でも出来るんじゃないか?

俺は陽太と過ごしているし……。



「明日、陽太に言ってやるから。 “まおと愛川で買い物させてやれ”ってな」


「うんっ」


たぶん、陽太も俺と同じ気持ちだから…… 俺の案に賛成してくれるはずだ。




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