white snow.




「いっくん」


「ん、どうした?」


「…… なんでもない」


俺のパジャマをキュッと握りしめて、まおが深く俺の胸に入ってきた。

ソッと、抱きしめた―――。


まおがこうやって、俺に甘えて来るのは――― 本当に寂しいとき。

もしくは、何かに迷った時。


今回は寂しいから、俺に甘えているんだろう。


「まお」


「……」


眠いんだろうか。 あまり、まおの体が動かない。


「寝るまで、一緒にいて―――」


一人が寂しいのか。

この、寂しがり屋が。


「わかったから、一緒にいてやるよ」


「へへっ、ありがとう」


顔をひょっこり俺に向け、微笑んだ。


そして、再び顔を埋める。


どんだけ寂しがり屋なんだよ。

でも、こんなとこも“かわいい”って思ってしまう俺は相当ハマっているよな。




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