white snow.
右手をあげ、手を振り返す。
「早くしてよーっっ」
どこに行くかも、何して遊ぶかも決まっていない。
「まおとその時の流れて決めるわ」
「嘘つくなって。 樹は絶対言うよ“恋人です” ―――ってね」
陽太が地面を強く蹴った。 次第に小さくなる背中。
“恋人ですか?”って、もし聞かれたら、俺はきっと……。
「いっくん?」
見上げるまおと視線がぶつかる。
「どうしたの?」
「なんでもねーよっ」
俺の答えは決まっている―――。