絡み合う糸−運命のいざない−
君の名前は知ってた。
“大橋 亮介”
(おおはし りょうすけ)
クラス表で目が止まった。
それが、この人だって直感した。
「あっ!アタシ斜め後ろだ!」
アキは足速に席に着きにいく。
私は窓側の一番前だった。
「…もう、アキってば…」
大橋にヤキモチ。
私ってアキ命だからね。
男の子でもあげたくないの。
「ねぇ、どこ中出身なの?」
後ろからアキの弾んだ声がした。
「…は?…西中…。」
それとは対照的に冷たい声が聞こえた。
私は思わずバッと後ろを向く。
あっ…。
目があった。
再び前を向き直す。
「…っはぁっ…!」
思わず息止めちゃったよ…!
心臓飛び出るかと思った…!
カッコイイんだもん…!
反則だよぉ…。
私は顔を両手で覆った。
急に恥ずかしくなった。
胸の奥の溢れそうな想いにも気づかずに…。