はんぶんこ
君はいつも“幸せ”と言う。

君の“幸せ”は、それはそれは沢山存在する。 小さな“幸せ”から、大きな“幸せ”まで、沢山存在する。

そんな君を好きだと思う俺は“幸せ”だと思う。

そして、そんな君の幸せを少しでも増やしてあげたいなんて、思うんだ。



「ミルクティーと合うよねぇ。」


ほんとに幸せそうにクッキーを食べる彼女は、俺にそう言った。


「俺飲んでるのコーヒーなんだけど。」

「コーヒーとも合うでしょ〜?」


テーブルに身を乗り出して言う彼女。


「まぁな。」


そう答えた俺に満足げに目を細めた。


「つか、クッキーが甘いからコーヒーのがよくねぇ?」

「え〜?ミルクティーでも合うもん!…んっ?」

「はい、どーぞ?美味しいよ?」


笑いながら、その唇にクッキーを押し当ててやったら、彼女は一口かじって言った。


「やっぱり、ミルクティーとも合うもんっ。幸せ、幸せ。」

「それは良かった。」


クッキーの入っていた袋をクシャリと丸め、ビニール袋の中に入れた。

ゴミを入れたビニール袋の口を縛っている俺に彼女が言った。


「きっとね、このクッキーを食べて幸せを感じるのは、二人で食べるからだよね。」

「は?」


ビニール袋から視線を向けると、君は今日一番の笑顔だった。
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