始まりと終わりの間
11
誰かの話し声で目が覚めた。
見ると、テレビが付いたままになっている。

時計を見ると17:20

「ずいぶん…寝過ぎたかな?」

そんなヒトリゴトを言いながら、目覚めのシャワーを浴びた。

誰かと約束してる訳じゃないから、のんびり出掛ける準備をする。

枕元に置いたままの携帯。
マナーモードにしてたから放置状態になっていた。

メールが10件。
メルマガと隆也と…
あの"チャラ男"から。

「あの男…ウザすぎる!」

多分、チャラ男が言う"最後"までやらなきゃ、アタシはこの男から解放されないんだろうな…

本当に厄介な男だ!

隆也からのメールは

『起きたらメールか電話して』

ばかりだった。

ため息混じりで、それらのメールを削除した。

「さて…」

携帯と財布と鍵、それにタバコを持って玄関を出た。

「梓!」

振り返ると、隆也が車から降りて走ってきた。

「何回もメールしたのに返事もしないで!」

腕を掴まれ、引っ張られた。

「何すんのよ!こらから出掛けるんだから!」

「どこに行くんだよ?」

「どこだっていいでしょ!」

「少なくとも男に会う格好じゃねぇな。だったら構わねぇだろ?」

後ろの席に強引に乗せられた。
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