Re:今でも君が好きです。

長い長いお経。

つんとする線香の匂い。

部屋中から聞こえる啜り泣きの声。

そして祭壇の前に飾られた、誠の最高の笑顔の写真。

その前に静かに置かれた棺。その中に誠はいる…

俺の視界に映るもの、俺の耳に入る音、その全てがもう誠は居ないのだと言っている気がしてならなかった。


『誠君…首吊りですって…』


『え…死因って首吊り自殺なの?』


『そうなの。なんでも職場での人間関係が上手くいってなかったみたいで…

遺書みたいなものもあったって聞いたわよ…』


後ろの席に座ったおばさん達のヒソヒソ話が勝手に耳に流れ込んでくる。

今更聞いても遅い。そんなん聞いた所で誠はもう居ないんだから。

もう…手を差し延べてやる事も、一緒に悩んだり、笑い合ったりする事だって出来ないんだから…。



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