Re:今でも君が好きです。
一年前…
出会いの“で”の字すら有り得ないバイト先に一人の女の子が入ってきた。
長い髪を一つに束ね、どんな時も明るく振る舞い、誰よりも笑顔がとてもよく似合う女の子だった。
そして、いつも物事に真剣に取り組む、真面目な女の子だった。
最初はそんな印象で、それが彼女の全てなのだと思った。
でも、違った。
当時の彼女には“相手”がいた。いわゆる“彼氏”ってやつ。
でも、その彼氏は浮気性な部分もあって、彼女はいつも泣いてた。いつも無理してた。
その事に気付いてしまったんだ。
彼女が一人で声を押し殺しながら泣いている事、人の前に出ると無理して笑っている事、それに気が付いたら、いつの間にか…俺が支えてやりたいと思ってた。
せめて一人で泣いている彼女に泣き場所を作ってやりたかった。
俺が泣きたい気持ちも辛い思いも全部受け止めてやる…そうも思った。