Re:今でも君が好きです。
想いと失恋
俺の目線に気付いたのか、美紀は自分の指を見た。
その指には、眩しい程に輝くシルバーリング…
『あ…
まだ拓哉君には言ってなかったよね。
実は私、明後日…結婚するんだ』
美紀の指に光るシルバーリングを見れば結婚だの婚約だの…想像はつく。
つくはずなのに…
『そ…なんだ…』
このザワザワした感情はなんだろう…
『ありがと』
美紀がそう言った時。
確実に時間が流れていたのだと痛感した。
美紀と離れていた、この一年の間に俺と美紀との距離はどんどん遠ざかっていって…
そして今では…もう手の届かない、そんな遠い存在になってしまったのだと、思った。
『そっか…
あ…てか、本当におめでとうな?
なんか美紀って、“妹”みたいな感じだったからさ…本当に嬉しいわぁ』
妹…
自分で言ってて、呆れた。