Re:今でも君が好きです。
どうして俺は何も出来なかったんだろう。
どうして死ぬ事はない病気に恐れ、美紀の手を離してしまったのだろう。
どうして俺は…“好き”と伝えなかったのだろう。
今更後悔しても時が戻る訳でも美紀が結婚式をやめてくれる訳でもない…
『…ごめんね』
沈黙を破るかの様に、美紀は静かに言った。
『…拓哉君の事、“好き”って言ったのに。
拓哉君の事…嫌いになりたい自分もいるの』
背中越しに聞こえる、美紀の声。
『私を笑わせてくれる拓哉君。
私を励ましてくれる拓哉君。
私の隣で微笑んでいる拓哉君。
拓哉君の全てが好きだった。
拓哉君の怒った顔も、拓哉君の悲しそうな顔も、優しい笑顔も。
私だけのものにしたかった。
誰にも渡したくなかった…』