Re:今でも君が好きです。

『なのに。

　拓哉君は私じゃない人を最終的に選んだ…

　私じゃない誰かに、私が大好きな笑顔を見せる。

　私じゃない別の女の子を支えようと必死になる拓哉君。

　私じゃない別の女の子の隣を歩こうとする拓哉君…

　本当に、本当に大好きだったから。

　だから…そんな拓哉君を許せなかった。腹ただしかった。

　大嫌いだった…』


最後の“大嫌い”の言葉に鋭利な物で心臓を貫かれた様な痛みが走った。



『でも…それは私の大間違い。

　私…拓哉君に優しくされて、沢山慰めてもらったり、沢山励ましてもらってたから、勘違いしてた。

　恥ずかしいけど…拓哉君も私の事…なんて勘違いしてた。

　バカだよね…拓哉君から一言も“好き”だなんて言われた事ないのに。

　勝手に好きになったり、嫌いになって憎んだり…

　…本当に、本当にごめんね』



振り向いた美紀。その目は少し潤んでいて…

でも…あの時の様に、美紀を慰められない、励ます事も出来ない、そんな自分がいた。