Re:今でも君が好きです。

“拓哉君が好き”

彼女は俺の想いに、全力のアピールに振り向いてくれた。

そして、こんな俺を“好き”だと言ってくれた。


もう…これからは彼女と一緒に歩けるのだと信じた矢先…



長く続く咳に悩まされ、診てもらった医師からの言葉。


『木坂 拓哉さん。

お若いですが、肺気腫症です』



今すぐに死ぬ病気ではない。

医師から病名を告げられた時、俺はそう思った。

だから…彼女とは変わらない日々を送ればいいって。



『人間は酸素を取り入れ、二酸化炭素を体外に出します。その交換をしているのが肺胞と呼ばれるもの。この肺胞同士を仕切っているのを肺胞壁と言いますが…

 あなたの場合、この肺胞壁が破壊され、肺胞同士が融合する為に空洞が出来ています』


医師の更なる説明に息を呑んだのを今でも覚えている。


人の体って頑丈じゃないんだなって。

空洞って…穴あいてる訳だろ?


自分のことなのに、自分の体がボロボロだって認めたくなくて、理解出来なくて、どこか他人事のようだった。



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