Re:今でも君が好きです。
着いた先は教会。
これから美紀が永遠の愛を誓う場所。
そんな場所を選ぶなんてバカげてる。
でも…今日しか、この場所でしか言える機会がないんだ…。
まだ夜明け前の教会は静まり返っていて、美紀はもちろん誰も居なかった。
『そうだよな…
こんな時間に、いる訳…ないよな…』
一人呟く言葉は静かに夜明け前の空へと消えていく。
『…拓哉君?』
不意に背後から名前を呼ばれ、振り返った。
『…美紀…』
振り返った先には美紀が立っていた。
『…な、なんで…』
『今日結婚式を挙げるんだと思ったら…
なんか眠れなくて…
新婦は少し早めに会場入りするから、
その前に一人で歩きたくなって…
そしたら…拓哉君がいて…』
美紀はそこまで言って、一筋の涙を流した。
『…な…んで…いるの…?
びょ…病院…は…?』
小さい子の様に零れる涙を我慢しようと、洋服を力いっぱい握りしめて…
そう問い掛ける美紀。