Re:今でも君が好きです。




『拓哉君…。

 もう、どこにも行かないで?』




どこにも行かない。
どこにも行けない。
そう、約束するよ。


だから、神様…。
もう一度だけ、彼女を、美紀のことを好きになっても…

…好きでいてもいいですか?




『…美紀…』



きっと、美紀に出逢ってから、美紀を好きになってから、美紀が一番だから。

俺の気持ちが帰れる場所は、美紀しか有り得なかった。


だから、神様。
美紀を、美紀の全てを俺に下さい。





『俺…

 美紀より、早く死ぬかもしれない…』


すぐに死ぬ病気じゃないけど。



『“肺気腫”でしょ?

…知ってるよ?』


美紀の言葉に、またもや驚きを隠せない俺。



『な…なんで、美紀が知ってるんだよ?』


『…拓哉君が私から離れて行った時…

 誠君が教えてくれたの。

 だから拓哉君が言った事が全て真実とは限らないって。

 でも…拓哉君の気持ちは知らなかったし。

 拓哉君を受け入れる事も、誠君からの言葉も信じれる程、私は強くなかった。

 そんな勇気がなかったの…』


『美紀…でも俺には、お前が今の幸せを捨てて、そんで俺の元に来てくれても…何もしてあげられること…』


言っていて胸がどうしようもないほどに痛んだ。


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