星の数の恋よりも月と同じくらいの恋


もしかして、照れてる?



「真っ赤だね」



優しく微笑むと



「…それは、悠諳さんが変なこと言うからです…」



“悠諳さん”だって
新鮮な呼ばれ方と可愛い声に胸が暖かく感じる



「本当のことを言ったんだけどな?
乙香ちゃんの歳聞いてもいい?」

「今15です」



タメだったのか?
こんなに大人ぽいのに…
俺のクラスとかにいる女たちとは全然違う…



「じゃ、俺とタメだね」

「えっ、悠諳さんも15なんですか?」

「そ、来年16になる
てか、タメなら敬語やめない?」

「………」



タメなら敬語は可笑しいし、
なにより普通に乙香ちゃんと
話したいと思って提案したけど…
無反応…



「乙香ちゃん?」

「えっと、解りました」

「それも敬語だけどね」

「ごめんなさい…」

「じゃ、徐々にね?」

「はい!」



ニッコリと微笑む彼女が愛しくなった…


それから、初対面だとは思えないほど打ち解けていた





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