星の数の恋よりも月と同じくらいの恋
「乙香、随分と楽しそうだね?」
だけど、知っている…
楽しくて幸せな時間があるってこと
嫌な時間もあるってことを…
「…徠、くん…」
にこやかな表情で近づいて来る徠くん…
でも、目が笑ってない…
―怖い…近寄らないで…―
そんなことを思っても徠くんは近寄る
「乙香?
今日も病室から出てたりしてないよね?
また抜け出して男と会ったりとか…?」
「…そんなことしてない」
「本当かな?
それなら、笹川さんとかに聞いても
大丈夫ってことだね?」
悪いことは、なにもしてないのに
徠くんに言われたりすると悪いことしてるみたいな
感覚に襲われる…
徠くんの目からわたしは絶対逃げられないんだ…
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