星の数の恋よりも月と同じくらいの恋



―――悠諳の目線―――



紫惟に“ヤキモチ妬いてる”
“いっちゃん依存症の悠諳くん”
とかって散々といじられた…
でも、結局は紫惟の言うとおりで
乙香ちゃんの言葉一つ一つが俺の
気持ちを高陽させる…



「悠諳くん、いつもお手紙ありがと…」



現に乙香ちゃんがこう言ってくれると
嬉しさが込み上げて
“もっともっと”って俺の胸が騒ぐから…



「ううん、
俺がやりたくてやってることだから」

「いっちゃんは悠諳さんからの手紙が
いつも楽しみで心待ちだったんですよ」

「そうだったの?」

「えっと…、尋ちゃん」

「素直にいいな?」

「ぅん…、毎日どんな手紙がくるのか
楽しみで日を重ねるごとに悠諳くんの
こと知れて嬉しかったんだ」



そんな言葉が聞けるとは思わず、
俯いた…
きっと今の乙香ちゃんの顔より
俺の顔の方が何十倍も赤いと思うから





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