星の数の恋よりも月と同じくらいの恋



「悠諳くん、これから話す話しを
聞いてくれるかな?」

「はい」



悠諳くんとお父さんの顔は
真剣そのもので口出しを
しちゃいけない気がした…





「乙香は幼い時から入退院を繰り返して
育ってきんだ…
淋しい想いも沢山させてきた、
学校にも病気のせいで満足に行けない…

そんなある日、千尋【ちひろ】くんが
徠くんを連れて来たんだ
徠くんは乙香を一目で気に入ってね…

乙香は乗り気ではなかったが
これも経験のうちと考え交際させる
ことにしたんだ…

初めのうちは本当に大切にしてくれた…

ただ徐々に束縛する様になった…
いや、束縛の度が過ぎていたかな?
とにかく厳しくてね、男と話すのも、
会うのも全てをダメだと言って
乙香への執着心が異常じゃなかった…

酷い時にはわたし達や尋華ちゃんとの
面会も拒否させるほどだった…

それでも乙香はわたし達になにも
言わなかったが我慢してきたことだろ…

乙香が口に出さなくても徠くんを
好きじゃないことは一目瞭然だった…

乙香は徠くんと別れたいって…

その理由が解るかな…?悠諳くん」



お父さん達が見守ってくれてたことは
知ってた…
でも、聞いて驚くようなことも言う…



「……解りません…」



悠諳くんは少し戸惑い気味に答える…





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