星の数の恋よりも月と同じくらいの恋
―――乙香の目線―――
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小学校5年生の11月昼休みを教室で
お喋りをして過ごしていた
「いっちゃん、顔色悪いよ?
大丈夫?」
目に涙を溜めて心配してくれるのは
尋ちゃん
「大丈夫だよ、
少しだけ寒いけど…」
ニッコリ微笑むと尋ちゃんは
安心したみたい微笑みかえしてくれた
けど、白い霧がかかったように視界が
ぼやけてきて尋ちゃんの顔が歪んで見えた…
―ガッシャン――
「ひろちゃ…」
「いっちゃん!!
いっちゃんどうしたの!!」
身体全体に味わったこともない痛みが
全身に突き刺り喋ろうと口を開くも
上手く言葉がでない
「いっちゃん?
ねぇ?しっかり、して!!
先っ、生、いっちゃんが
いっちゃんが、死んじゃうよ!!」
その尋ちゃんの叫び声が遠くの方で
聞こえてきて意識が遠のいていった…
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