星の数の恋よりも月と同じくらいの恋



「不安だよね、起きたら
こんなところにいるんだもんね?」

「ぅん…」

「大丈夫よ?心配しないで?
お母さん戻って来るからね?」



わたしが不安になってるのを解った
みたいで笑顔で沢山話しかけてくれた…
そして、笹川さんが言った通り
お母さんは戻ってきた…

けど、目を真っ赤に腫らして
ハンカチで目を抑えていて、
支えるように隣り寄り添うお父さん…



「あぁ、乙香」

「…どぅ、どうしたの?」

「目にゴミが入ったらしくてな?
涙が止まらないみたいだ」



なんて、お父さんはわたしに嘘ついた…





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