勝手にしたらいいじゃない
1
友達は病んでいる
昼休み。
火海明日美は友達の品森早姫と屋上へ来ていた。
「あっついな、しかしぃ…」
とアスミはこぼす。それもそのはず。六月の終わり。梅雨が少し早く過ぎ去って、今はもうからっと晴れる日が多くなり、夏はもう顔を出している。
「これで唸ってたらこの先もっと暑くなるのにぃ」
「あははー。だねー。」
晴れ渡る空を見て、サキは眩しそうに目を細めた。アスミは買い弁したコンビニ袋にゴミを入れて口を結び、それをポーンと真上に投げてから大の字に倒れた。
青い空。
白い雲。
黄色い太陽。
鳥が一羽、二羽。
光る飛行機。
頭上に放り投げた。
ーーーコンビニ袋。
「あでっ!!」
アスミのおでこに袋は見事命中。それを見て、微笑むサキの目は、笑っていない。
こんな暑い日なのに、背筋が凍るような冷たい声がサキの方から飛んで来た。
「ねぇ、アスミ…」