勝手にしたらいいじゃない
「へ…アスミ…?」
「死にたいんでしょ?死んだらいーよ。」
アスミは落ち着いている。
「いや…嘘だよねぇ?…今なんて?」
「死にたいなら死ねばいい。って言ったの。勝手にしたらいい、他人に答えを求めないで。」
「…!」
普段、いつでも優しく励ましてくれるアスミ。そんなアスミがこんな言葉を吐くとは思えなくって驚いたのは、サキだけじゃなく、トモミも同じだった。
「疲れた…。」
「いやぁ…いやぁ…いやぁー…。」
アスミはサキに背を向けて歩き出した。
「し…し…しに…。」
サキが絞り出すような声を出す。アスミは足をとめ半分サキに体を向けた。
「『しにたいよ、一緒にしのうよ』…でしょ?死にたいなら一人で死んで。私は生きる。」
「…!」
再び歩き出す。教室を出る間際、アスミがトモミに言った。
「ねぇ?」
「…?」
「サキみたいな"しにたがり"って言うのは…死にたいくせに何で生きてんだろね?」
「…。」
トモミは答えが見つからず、首をかしげた。
「トモミ…まだリストカット続けるの?」
トモミは横に首をふる。アスミは微笑んだ。
そしてアスミが教室を出ようとしている時だった。