コイビトは
3 さつき
5月という月に、俺はあまり良いイメージがない。
若葉が繁り始め、あたたかく、すごしやすい季節ではあるのだけれど。
でも、5月は精神的に、どこか不安になる季節であるし……俺が刺された月でもある。
今では、俺が刺されたのが5月であったことに、何か理由があった気さえしている。
ライが。
――ライは、どうして急に俺のオヤジの話なんて出したのだろう。
考えられるのは、ライの父親あたりが、オヤジの会社の社員で、ススキダの名前を聞いてピンと来た、とか。
子どもの頃、オヤジの会社の社員の子どもと、何人かに会った覚えもある。ほとんど名前も覚えていないけど。
可能性だけでなら、いくらでも考えられるし、正確なところは本人でもなければわからない。
若葉が繁り始め、あたたかく、すごしやすい季節ではあるのだけれど。
でも、5月は精神的に、どこか不安になる季節であるし……俺が刺された月でもある。
今では、俺が刺されたのが5月であったことに、何か理由があった気さえしている。
ライが。
――ライは、どうして急に俺のオヤジの話なんて出したのだろう。
考えられるのは、ライの父親あたりが、オヤジの会社の社員で、ススキダの名前を聞いてピンと来た、とか。
子どもの頃、オヤジの会社の社員の子どもと、何人かに会った覚えもある。ほとんど名前も覚えていないけど。
可能性だけでなら、いくらでも考えられるし、正確なところは本人でもなければわからない。