コイビトは
結局ここで考えていても、ただの空論でしかないのだ。
この時期は、何に対してもあの事件と結び付けてしまう気がする。
ともかく、そんな憂鬱な月の終わり、5月30日が、同じ学部の同期生、原田さつきさんの誕生日だった。
誕生会は、一人暮らしをしている原田さんの家で、彼女と俺と縣、そして同じく同期の女の子2人の、5人で行われた。
原田さんの部屋は、1Kのふつうの一人暮らしの大学生用のアパートで、白とピンクが多目の、女の子らしい部屋だった。
彼女とは、特別親しいという感覚も無く、授業が重なれば話したりはするが、まぁそういったカンジの普通の友だちである。
誕生会に呼ばれる程の仲とも思えなかったが、そこは、縣の方に何かあるのかもしれないと、なんとなく考えを含んで、俺は黙って表面上だけでにこにこ笑っていた。
この時期は、何に対してもあの事件と結び付けてしまう気がする。
ともかく、そんな憂鬱な月の終わり、5月30日が、同じ学部の同期生、原田さつきさんの誕生日だった。
誕生会は、一人暮らしをしている原田さんの家で、彼女と俺と縣、そして同じく同期の女の子2人の、5人で行われた。
原田さんの部屋は、1Kのふつうの一人暮らしの大学生用のアパートで、白とピンクが多目の、女の子らしい部屋だった。
彼女とは、特別親しいという感覚も無く、授業が重なれば話したりはするが、まぁそういったカンジの普通の友だちである。
誕生会に呼ばれる程の仲とも思えなかったが、そこは、縣の方に何かあるのかもしれないと、なんとなく考えを含んで、俺は黙って表面上だけでにこにこ笑っていた。