コイビトは
「……」


「じゃ、ごめん、本当に、今日はありがとう!! 帰るね!」



と、俺に背を向けると、駆け足で行ってしまった。


俺は、少し混乱したまま改札を通り、電車を待って、次に来た電車に乗った。


電車内にはほとんど人はいなくて、俺は一列を一人で占領しながら、ぼんやりと原田さんのことを考えていた。







そんなに、軽い女の子じゃない。









むしろ、オクテそうだったから、あれは酒に酔ったその場の思いつきで言った




――訳ではない。と、思う。









だとしたら、いつから――




どうして?
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