願わくは…君の右翼に

私も後を追い廊下に並ぶ。


「ねぇねぇー。」


急に私に話しかけてきた声に視線を向ける。


「初めまして?私、宮野 初祢。同じ小学校だったんだけど覚えてる?」


無邪気な笑顔で話しかけてきた宮野初祢。


覚えてるも何も私が嫌いなパターンの人。


初祢は私が3年生の頃仲がよかった友達。


でもあれから話してないから“初めまして”に変わるんだ。


「初めまして、私、「美奈ちゃんじゃろ?覚えとるよー。」



私の言葉に被さり初祢は言った。


どの“覚えてる”だろう。


存在を?名前を?性格を?



「覚えてくれてたんだー。ありがとう。」


とりあえず笑顔で返しておく。

< 12 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop