マスカラぱんだ



告られたその日に、家まで送ると碧は言ってくれた。

これって下校デート?

ホームルームが終わり、急いで教室を出る。

するとすでに碧は廊下で私を待ってくれていた。

こんな些細なことがとても嬉しい。


「ごめんね。待った?」

「別に。じゃあ、帰るか。」

「うん。」


校舎から出て、校門に向かって並んで足を進める。

カッコ良くて目立つ碧の隣を歩いて、初めて気が付いたこと。

それは、みんなが碧と私を見ているということ。

その視線の理由は何?

羨望?嫉妬?

私はそんな視線に、少しだけ優越感を味わいながら、隣の碧の横顔をうっとりと見つめた。


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