マスカラぱんだ


碧が言うには、お見合いといってもふたりきりでお茶して話をするだけらしい。

本当は先生が、お見合いをしている姿なんか見たくない。

でも先生が結婚しちゃうのは、もっと嫌!

だから勇気を振り絞って、きちんと自分の想いを伝えようと決心した。

想いを告げなかったことを、後悔するのだけは嫌だから。

私は駅に着くまで、心の中で何度もシミュレーションを繰り返した。

『入院中はありがとうございました。』って。

それからお礼の品を渡して『私は先生が好きです。』って。

・・・言えるかな?


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