マスカラぱんだ
久しぶりに会えた先生が、笑顔じゃなかったことに、がっかりする。
それにお見合い相手の瞳さんの姿が、頭にこびりついて離れない。
綺麗な人だった。私と違って品があって、大人の女性って感じで。
ふたりが一緒に話をしている姿を見ただけで私。
胸が苦しくなって涙が出そうになった。
ううん。本当は泣きたい。もう嫌。
先生の顔を、真っ直ぐに見られない。
泣き出しそうになった私は、急いで碧の背中に隠れる。
「福田さん?」