マスカラぱんだ


「おい。ちょっとこっち寄ろうぜ。」


帰り道の途中の公園に碧は入って行く。

滑り台とブランコがある、小さな公園のベンチに腰を下ろす碧と私。

学校帰りの寄り道。

他愛のない私の話を笑顔で聞いてくれる優しい彼氏。

そしてこんな公園じゃなくて、ふたりでどこか行きたいね。

なんて、デートの約束をしたりして。

期待に胸を膨らませながら、隣に視線を向けると碧は突然、無言のまま顔を寄せて来た。

え?もしかして・・・。

心の準備も何も出来ずに、ただ瞳を閉じるしか出来なかった私。

初めてのキス・・・。

重なった唇の温かさに、頬が熱く火照り、高鳴る鼓動に思わず身体が震えた。

けれど、キスはこれで終わりではなかった。


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