マスカラぱんだ
**紫乃**
「ねえ?碧?肩から腕どけて。」
「え?ああ。残念!あのさ。福田さえよければ、このまま本当に707号室でアレする?」
「アレ?」
「そう。兄貴はホテルの部屋で、俺と福田がアレするって思っているぜ?」
ええ?!なんで?いつの間にそんなことになっている訳?
エレベーターの中で私は後悔しまくった。
碧の言う通りに『うん』と言ってしまったことを。
先生。私と碧の仲を誤解したよね?
久しぶりに先生に会えたのに、お見合いしているし。誤解はされるし。
もう嫌だ。涙が込み上げてくる。
私、先生が好きなだけなのに。