マスカラぱんだ


**紫乃**


「ねえ?碧?肩から腕どけて。」

「え?ああ。残念!あのさ。福田さえよければ、このまま本当に707号室でアレする?」

「アレ?」

「そう。兄貴はホテルの部屋で、俺と福田がアレするって思っているぜ?」


ええ?!なんで?いつの間にそんなことになっている訳?

エレベーターの中で私は後悔しまくった。

碧の言う通りに『うん』と言ってしまったことを。

先生。私と碧の仲を誤解したよね?

久しぶりに先生に会えたのに、お見合いしているし。誤解はされるし。

もう嫌だ。涙が込み上げてくる。

私、先生が好きなだけなのに。


< 113 / 258 >

この作品をシェア

pagetop