マスカラぱんだ
「あれ?兄貴。何でこんなに早く帰って来るんだよ?!俺はてっきりお泊まりだと思ってたのによ!」
リビングのソファに横になって、携帯をいじっていた碧が、僕に気が付いて声を掛けて来る。
僕は紫乃ちゃんを家に送って、一度家に戻った。
碧に話もしたかったし。
「今日は夜勤だ。それより僕は碧に何て言えばいいのかな?」
「お礼なんていらないぜ。それより福田とは上手くヤッた?」
ヤッた?
ソファから起き上がり身を乗り出しながら、碧は興味津々の表情を浮かべ僕にそう聞く。
碧。普通は『上手くいった?』だろう。