マスカラぱんだ
久しぶりに会えた先生に、私の胸がキュンと鳴る。
先生に聞こえたら恥ずかしい。
そう思うくらい、大きな音でキュンと。
「葵先生?どうして?連絡くれればよかったのに!」
「だって紫乃ちゃんを、驚かせたかったから。」
そう言って先生は、顔を赤くしながら頭を掻く。
先生。すごく驚いたよ。
驚いたし。嬉しかったし。
何よりも私は先生に会いたくて仕方がなかったの。
溢れる思いは言葉にならず、とめどなく涙が頬を伝う。
「ごめん。そんなに驚くなんて思っていなかったから。ああ。本当にごめん。こうなるなら、ちゃんと連絡すればよかったね?ごめんね。紫乃ちゃん。」