マスカラぱんだ


**葵**


参った・・・。

君があまりにも可愛い笑顔で、『遊園地に行きたい!』なんて言うから、断れなかった。

初めての君との遊園地デートを明日に控えた僕は、天気予報を見ては溜息を付く。

明日の天気は、雲ひとつない快晴。

まさに遊園地日和。

本当ならガッツポーズをして、明日を待ちわびるのが、正しいのだろう。

でも残念ながら僕は、とてもじゃないけれど、そんな気分にはなれなかった。

ベッドに潜り込み、君の可愛い笑顔を思い描きながら、瞳を閉じる。

そうすることで、この憂鬱な気分を振り払おうとした。


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