マスカラぱんだ
折角、楽しみにしていた遊園地デートなのに涙が止まらない。
「ほら、こっち向く!ね?僕はもう大丈夫だろ?」
先生は私の両頬を優しく両手で包むと、じっと目を見つめて話す。
そんな優しい瞳で見つめられたら。
嬉しくて。恥ずかしくて。堪らない。
「葵先生ってダメなの?絶叫マシーン。」
「黙っていてごめん。どうやらダメってもんじゃないみたいだ。」
さっきまで倒れそうな青い顔をしていた先生が、今は真っ赤になって正直に話してくれている。