マスカラぱんだ
**葵**
観覧車。イコール。キス。だよな?
そう思う僕はイヤらしいのか?
でも涙を拭いている時、君が見せたあの、無防備な瞳を閉じた顔が僕の身体を熱くさせた。
よくあの場で君にキスしなかったモンだと、自分を褒めてあげたいくらいだ。
青空に向かう観覧車の中で、君は遊園地を上から眺めながら、楽しそうに微笑む。
イヤらしい僕とは正反対な君は、純粋に遊園地を楽しんでいるようだった。
まったく僕は何を考えているんだよ。
反省。反省。
気持ちを切り替えると、僕も観覧車から見える景色を楽しむ。