マスカラぱんだ
まさか。まだ、あの絶叫マシーンのことを気にしているのか?
「紫乃ちゃん?どうしてそんなことを思うの?」
「だって。・・・エッチなんだもん。」
「え?ッチ?」
自分の気持ちを、君に見透かされたのかと思ってしまった。
観覧車。イコール。キス。だと、思ってしまった僕の想いを。
自分はエッチじゃないと、この期に及んで、必死になって言い訳を考える僕。
そんな焦り気味な僕の耳に、君の驚く告白が飛び込んで来た。
「私。葵先生と観覧車でキスしたいの。こんなことを考えていたエッチな私を、葵先生は嫌いにならない?」
頬を赤く染めながら、小さく呟く君を、僕が嫌いになる訳なんかないだろ?
嫌いになるどころか、僕にそんな可愛いお願いをする君が、可愛くて、愛しい。