マスカラぱんだ
「おい!福田!ちょっと帰りに付き合ってくんない?」
新学期早々。碧に声を掛けられた私の頭に浮かんだのは。
無理矢理、部屋でヤラレそうになったことや、先生のお見合いで嘘を付いたこと。
碧と一緒にいるとあまりいいことが起きないと考えた私は、速攻で断ろうと思った。
だけど。
「あのさ、兄貴のことなんだけど。」
え?先生に何かあったの?
碧の思いがけない言葉を耳にした私の心は、張り裂けそうな悲鳴を上げた。