マスカラぱんだ


「あの?大丈夫ですか?」


どうしたのかな?もしかして、気分でも悪くなったとか?

心配になって私も、お兄さんの前に慌ててしゃがみ込む。

そんな私の耳には、お兄さんの小さな声がなんとか届いた。


「大丈夫じゃないよ。なんで僕が君にこんな恥ずかしいセリフを言わなくちゃならないんだ?・・・君?帰り道はわかる?」

「はぁ。大丈夫です。帰れます。」


私の言葉に、お兄さんは大きく溜息を付くと、やっと立ち上がった。


「そうか。じゃあ、悪いけど僕はこれで。弟も悪かったけど、君も軽率な行動は慎んだ方がいいと思うよ。」


お説教をしながら、公園から出て行くお兄さんの真っ赤になっている横顔を、私は黙ったまま見送った。


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