マスカラぱんだ
Drop*2
**いきなり入院?**
**紫乃**
良かった。碧と違うクラスで。
あんな事があったから、碧と顔を合わすのが嫌だった。
昇降口で上履きに履き替えていると、後ろから元気な声を掛けられる。
「おはよ!ねえ、紫乃?碧君とのおうちデートはどうだった?」
朝一で親友の優衣に聞かれて、やっと思い出す。
そう言えば初めてのデートに浮かれて、碧の家に向かう電車の中で優衣にメールをしたことを。
「優衣。」
大好きな優衣の肩に寄り添いながら、唇を噛み締めて涙を流す。
この涙は何の涙だろう?
きっと悔し涙だと思った。