マスカラぱんだ
私の胸を鷲掴みにした碧の左手が、円を描くように動き始める。
そして碧の右手が、私のスカートの中に伸びて来たのがわかった。
この碧の行動に、パニックに陥る私。
だって碧と付き合い始めたのはつい、この前だし。
こんなに早く身体を求められるなんて、思ってもみなかった。
私は身体の距離じゃなく、碧ともっと話をしてふたりの距離を縮めたいのに・・・。
カラカラに乾いた喉の奥から、ようやく声を絞り出す。
「碧。お願いだから止めて。」
彼女のお願いを、彼氏なら聞いてくれるはずだと思った。
でも、碧の口から出たのは思ってもみない言葉。