マスカラぱんだ
自分を奮い立たせると、手と足をばたつかせ、身体をよじる。
でも、そんな私の必死の抵抗も、碧の力に簡単にねじ伏せられてしまった。
「お前!大きい声出すなよ!バカか!」
暴言を吐きながら、顔を歪ませる碧に口を手で覆われ、もう片方の手で両腕を掴まれる。
碧の圧倒的な力の前に、私にはもう、なすすべはない。
もう、ダメかも知れない・・・。
そんな弱気な思いが頭をよぎり、涙が目尻を伝った。その時。
碧の部屋のドアが、ガチャリと音を立てて開いた。
「碧。止めろ。」