マスカラぱんだ


**葵**


何だよ。

フテ腐れながら机の上に額を付ける。

今日は忙し過ぎて、君がいる特別室に行けなかった。

時計は午後11時を指している。

今の時間なら君はまだ、起きているかも知れない。

だけど、この前みたいに僕はまたソファで寝てしまう自信がある。

それほど今日は忙しかった。

僕は自分が中学生になったのかと思った。

気になる女の子をひと目でいいから見たい。と、願っていた中学時代に。

あれ?今の中学生はこんなウブこと思わないのか?

きっと僕のこの気持ちは、今時の中学生より純粋なはずだ。

君の笑顔を見たい。それだけなんだ。

そんなことを思いながら僕は机の上で眠りに落ちる。

笑顔の君の夢を見たいと願いながら・・・。


< 82 / 258 >

この作品をシェア

pagetop