マスカラぱんだ
**葵**
何だよ。
フテ腐れながら机の上に額を付ける。
今日は忙し過ぎて、君がいる特別室に行けなかった。
時計は午後11時を指している。
今の時間なら君はまだ、起きているかも知れない。
だけど、この前みたいに僕はまたソファで寝てしまう自信がある。
それほど今日は忙しかった。
僕は自分が中学生になったのかと思った。
気になる女の子をひと目でいいから見たい。と、願っていた中学時代に。
あれ?今の中学生はこんなウブこと思わないのか?
きっと僕のこの気持ちは、今時の中学生より純粋なはずだ。
君の笑顔を見たい。それだけなんだ。
そんなことを思いながら僕は机の上で眠りに落ちる。
笑顔の君の夢を見たいと願いながら・・・。