マスカラぱんだ


**紫乃**


「先生?どうしたの?顔、赤いよ?」

「僕のことは気にしなくていいから。全部食べちゃって。」


そう、ポツリと呟くと先生は下を向いたまま、ソファに力なく座り込む。

こんなに元気のない先生は初めて。もしかして?


「先生?!気分が悪いの?大丈夫?」

「え?ああ、大丈夫。ん?大丈夫じゃないのかも。」


やだ。絶対変だよ?

私の問い掛けに、顔を上げて返事をしてくれた先生は、耳まで真っ赤になっていた。

もしかして熱でもあるとか?

そんな先生が心配で堪らなくなった私は、手にしていたお茶碗と箸を置く。

そして先生の様子を見に行こうと、ベッドのテーブルに手を付き、身体を起そうとした。

その時。


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