マスカラぱんだ


君の担当医の石田先生にお詫びをした。

開いた傷口は浅かったものの、やはり退院は2,3日延びる結果となってしまった。

本当なら僕が君のご家族にお詫びをしなければならないのに、その日の急患搬送がそれを許さなかった。

実は、この出来事の後のことを思い出そうとしても記憶がない。

どうやって僕はこの日を過ごしたのだろう?

君と関わりを持つのを止めようと、決心したこの日を。

今、振り返ってもゾッとする。

そんな状態でよく、医療事故を起こさなかったと。


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