想い出の宝箱



だから俺は
すぐに救護班がいる
テントに向かった



そこには誰もいなくて
代わりに傷だらけの彩が1人ポツンと
座っていた


俺に気付いて
驚いている彩に俺はおどけて


「あ~あ、ドジすぎるだろ

ちょっと見せてみ?」



って笑っていった



今までだったら

「翔太~痛かったよ・・・」

って泣きついていたが違った


「こ、こういうこと
彼女さんが誤解すると思うから・・・


それに、
このくらい自分でできるよ!!」



グサッと何か鋭利な刃物で
刺されたような感覚だった



彩らしくない
俺にはもう何も
頼ってくれないのか・・・



もうここにはいたくなかったから
俺はそっけなく


「あぁ、そう。
心配するだけでもダメなのかよ・・・」
とだけ言ってテントを出た









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