想い出の宝箱



すこしたって次々に友達がお見舞いに来てくれた


だけど、そこには翔太の姿がなくて



美咲とお母さんだけになった病室で
聞いてみた



「ねぇ、翔太に会いたい」



「・・・」


2人とも顔を見合わせるだけで答えてくれない

「ねぇってば!!!美咲、翔太に電話して
早く来いって言ってよー」



「あのね、彩・・」

美咲がやっと口を開いた



「彩が階段から落ちたでしょ


その時翔太くんが彩のこと守ったの」



「は?」


「彩を受け止めようとしたんだけど
彩の全身を守ることができなかったの」



そういえば頭と腕には傷があるけど

足や腰にはまったく傷がないし
痛くもない


「彩の足とか腰は翔太くんが下敷きになってたから

大きなけがはしなかったけど
頭は守りきれなかったんだよ」


「そうなんだ・・・」


「で、翔太くんは・・・



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