想い出の宝箱





「瀬川さんーこれ何本だかわかりますか?」



私と同じように単純な検査を受けている




「じゃあ次にここに自分の名前を書いて」



先生は神とボールペンを翔太に渡した





「・・・・わかりません」






かすれた小さな声だったけど

私にはちゃんと届いた


「え・・・?」


部屋にいた私や看護婦さんたちそして翔太のお母さんは


みんな固まった



「わからないんです。ここがどこなのか
なんで俺はここいるのか



俺は誰ですか?」




目の前が真っ暗になった




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