想い出の宝箱




「ん・・・」



重たい目を開けるとそこには

目を真っ赤にした夏美と美咲がいた



「彩・・・彩のお母さん
買い物行ってるよ」


「そっか・・・」




「翔太のこと2人とも聞いたでしょ?」


2人は顔を見合わせてうなずいた





「翔太の頭の中には私の記憶って



これっぽっちも残ってないのかなぁ」




笑いながらつぶやく
私の頬を何筋も涙が伝った





「彩・・・翔太くんの頭の中には
今は記憶がないかもしれないけど


翔太くんの体には
彩と過ごした時間が
刻まれてるよ、きっと」




夏美が体を震わせながら
言った



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